全固体電池 | 用途・協業事例
過酷環境のパイプライン監視における課題解決 | ||
全固体電池×エナジーハーベスト技術により長期間にわたり稼働する圧力監視システムが実現 |
背景
圧力伝送器は流体の圧力を測定し電気信号として出力する機器で、プラントや工場において、ガス、オイル、水などの流体搬送設備の稼働状況の監視に広く使われています。圧力伝送器には系統電源式と一次電池式(使い切り)がありますが、砂漠や山岳地帯といった過酷環境に設置されるパイプラインにおいては系統電源が使えないことが多く、一般的には一次電池式が使用されます。しかしながら、一次電池式では数年ごとに必要となる電池交換のための作業員の派遣にともなう負荷や、メンテナンス工数の増加が課題となります。加えて、電池容量に限りがある一次電池では極力電池を節約する必要があるため、通信方式およびセンサーの選定が、電池容量に制約されてしまうという課題もあります。
今、砂漠や山岳地帯などの過酷環境のパイプライン監視システムにおいて、メンテナンス工数を抑えつつ長期間にわたり安定して稼働し、また、電池容量に制約されずに様々な通信方式・センサーの選択を可能とする、環境発電による自立発電の圧力伝送器が待望されています。
課題
(1) 系統電源が使えない
(2) 電池容量に限りがあり、定期的な電池交換やメンテナンス作業が必要
(3) 通信方式やセンサーの選定が電池容量に制約される
解決策
現在一般的な一次電池式の圧力伝送器を搭載したパイプライン監視システムでは、電池切れによりひとたびシステムの稼働が停止してしまうと、電池が交換されるまでの間、稼動が停止してしまう問題が起こり得ます。とりわけ、作業員を派遣することが困難な過酷環境においては、その問題はより深刻となります。
繰返し使用ができる全固体電池と、太陽光、振動、熱などから電力を採取するエナジーハーベスト技術を組合せて自立発電型とすることで、メンテナンス工数を抑えつつ長期間にわたり安定して稼働する監視システムの構築が可能となります。また、電池容量に制約されることなく、通信方式およびセンサーの選択の幅を広げられることで、これまで一次電池式の圧力伝送器では対応できていなかった、より高精度な監視が期待できるようになります。