遠隔地におけるPLCデータバックアップの課題解決
全固体電池の導入によりデータ消失リスクを低減

背景

PLC(Programmable Logic Controller:プログラマブルロジックコントローラ)は、ユーザーによるプログラムが可能なデジタルコンピュータの一種で、生産ラインの自動化や輸送システムの制御などの産業用アプリケーションで使用されています。最近では、ネットワーク通信を介して、遠隔からの鉱山や油田の操作、農業灌漑システムの管理といった用途にも使われています。

遠隔地におけるPLCで考えられるリスクの一つに、瞬時の電源低下や停電により設備が停止し、取得したデータが消失するトラブルがあります。特に保守作業員が簡単に赴くことができない遠隔地においては、トラブルが長期化する懸念もあります。

そういったトラブルを未然に防ぐため、PLCには、電源遮断時にEDLC(Electric Double Layer Capacitor:電気二重層コンデンサ)に蓄えた電力や使い切りの一次電池を用いて、データバックアップの中断を防ぐ機能を備えたものもあります。しかし、EDLCと一次電池の何れも、データバックアップ用電源としては一長一短があります。PLCのバックアップ電源としてよく用いられる小型のEDLCは、繰り返し使用時の劣化が少なく、長期間にわたり使用できるメリットがあるものの、静電容量(蓄電容量)が小さく、短時間のバックアップしか行えません。一方、一次電池はEDLCより蓄電容量は大きくなりますが、充電式ではないため、使い切られるたびに交換が必要となります。

また、PLCは油田などの高温にさらされる環境に設置されることもあり、そのバックアップ電源には耐高温性も求められます。

現在、遠隔地に設置されるPLCにおいて、長時間にわたる使用が可能で、耐高温性を持つ充電式電源の導入が求められています。

PLC
PLC

課題

(1) 短時間のデータバックアップしか行えない

(2) 遠隔地に定期的に電池交換に出向く必要がある

(3) 高温環境で使用可能な電池が必要である

解決策

PLCのバックアップ電源に使用されるEDLCや一次電池の代替として、長寿命性能∗1および耐高温性∗2に優れたマクセルの充電式全固体電池を採用することで、定期的な電池交換の頻度を下げつつ、長期間にわたるデータバックアップを実現するPLCの開発が可能となります。

  • 長寿命性能:60℃保管による加速試験において、90%の容量を維持可能な日数が当社従来品コイン形リチウム二次電池(927サイズ)の10日に対して、全固体電池は100日
  • 高耐熱性:125℃まで放電可能であることから、一般的なリチウムイオン電池と比較して高耐熱

その他の用途

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