概要

有機ELディスプレイパネル蒸着用高精細ハイブリッドマスク(以下蒸着マスク)は、有機ELディスプレイ製作工程の有機材料RGB3色の塗り分けに使用されるマスクです。

この蒸着マスクは、有機EL製造におけるキーパーツで、より高精度(位置精度、精細度)な蒸着マスクが求められます。

EF2技術によるパターン形成により、リアルRGB∗1600ppi以上の高精細化を実現することが可能です。

現在の有機ELディスプレイパネルは、発光セルを間引いて画素が形成された、リアルRGB換算で350ppi∼380ppiレベルのものが多く、リアルRGB600ppi以上を実現するために、さらなる高精度の蒸着マスクのニーズがありました。マクセルのEF2技術によるマスク形成では、開口部の高精度化が可能で、有機ELディスプレイパネルの高精細化リアルRGB600ppi以上を実現することができます。

∗1リアルRGB:Red、Green、Blueのセルで忠実に画素表示を行う方式を、発光セルを間引いて疑似的に画素表示を行う方式と区別して、リアルRGBという言葉で表しています。

公開日:2021年6月11日

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EF2技術によるマスク形成により、リアルRGB∗1600ppi以上の高精細化を実現

EF2独自のフォトリソ技術とめっき技術で形成された開口形状は、リアルRGB600ppi以上を実現することが可能で、開口部のコーナーRもなくシャープな蒸着形状が得られます。

インバー材フレームと高精細マスク部が一体化したハイブリッド構造で工数削減

マクセルでは、熱膨張特性に優れるインバー材フレームに、EF2技術で形成した高精細マスク部を一体化させた有機ELパネル用ハイブリッドマスクを開発することで、熱膨張による変形を抑え、蒸着装置への容易な装着を可能にしました。

現在主流のエッチング加工によるマスクは、複数枚をミクロン単位の位置精度で貼り合わせて蒸着装置にセッティングすることが必要であり、この工程に対応するパネルメーカーは、高度な貼り合わせ技術が求められます。

一方、マクセルの有機ELパネル用ハイブリッドマスクではフレーム一体型のマスクを供給することで、パネルメーカー側の工数を削減することができます。さらに、マスク単体での精度確保が可能である利点を活かし、蒸着マスクの貼り合わせによる大型化が可能です。

高精細パターン

主な仕様

項目内容
最大マスク外形サイズ(有効サイズ) 770×500mm(650×420mm)
材質 (1)パターン部:Ni (2)保持枠部:インバー材(36Ni)
板厚(例) (1)パターン部:10μm (2)保持枠部:1.0mm
開口精度/中心からの座標位置精度 ±2μm/±5μm

上記は基本仕様になります。詳細仕様につきましては、別途お問い合わせください。

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