ガルバニ電池式鉛フリー酸素センサ 導入事例

マクセルの鉛フリー酸素センサが搭載された酸素濃度計「JKOシリーズ」「OXYシリーズ」と鉛フリー酸素センサ「KE-LFシリーズ」
イチネン製作所様による鉛フリー酸素センサの採用
株式会社イチネン製作所(以下、イチネン製作所)様は、産業分野で長年にわたり酸素濃度計を展開しており、「JKOシリーズ」「OXYシリーズ」を中心に幅広い用途で活用されています。2025年10月より順次、従来の有鉛タイプからマクセルのガルバニ電池式鉛フリー∗1酸素センサへの切り替えを開始しました。
この決断の背景には、イチネン製作所様の環境方針に加え、鉛フリー化を実現しながらも従来の有鉛品と同等の性能を実現したマクセルの鉛フリー酸素センサに対する技術的信頼性がありました。
∗1 鉛フリー:製品を構成する各部品(均一物質中)に含まれる鉛が0.1wt%以下であることを意味します。
鉛フリー化と従来性能の両立を実現した酸素センサ技術
機器側の設計変更不要
従来の有鉛酸素センサと同様のガルバニ電池式であるため、駆動のための外部電源を必要とせず、機器のコンパクト設計が可能である点が評価されました。機器の基板設計においても大がかりな設計変更を必要としないため、酸素濃度計の開発期間短縮や開発コストの削減に貢献します。
ガルバニ電池式による安全設計
また、センサ駆動時の電流が0.5mA未満であり、センサ自体が着火源にならないため、検知部に一定の電流が流れる他方式と比較して簡単に安全設計できる点も評価ポイントの一つです。
弱酸性電解液による長寿命と耐酸性ガス性能
マクセルの鉛フリー酸素センサは、独自開発した弱酸性電解液を採用しているため、大気中で3~10年の長寿命を実現すると同時にCO2などの酸性ガスの影響を受けにくい特性があります。これにより、CO2や酸性ガスが共存する環境でも精度よく酸素濃度を測定可能です。こうした特長が評価され、さまざまな分野への展開が進められています。
廃棄コストの削減
「鉛フリー酸素センサを使用することで、使用後のセンサの廃棄が容易になり、ユーザーにとってコスト面でもメリットがある。」
マクセルの酸素センサは廃棄の点でも高い評価を得ています。センサに鉛を使用しないことで、製品ライフサイクル全体での環境負荷とユーザーの運用コストの両方を低減できる点が、機器の付加価値をさらに高めています。
酸素濃度計は、付属の酸素センサを用いて環境中の酸素濃度を測定する機器です。酸素センサは消耗品であり、製品仕様上、数年ごとに交換が必要となります。
今後の展開
このように、鉛フリー酸素センサは、環境対応という新たな価値を提供しながら、従来品と同等の性能を維持しています。大きな設計変更を必要とせずに切り替えが可能と評価されており、多様な分野への導入が見込まれます。
イチネン製作所様の酸素濃度計「JKOシリーズ」に搭載された鉛フリー酸素センサは、すでに産業機器や環境測定装置、食品メーカー、医療現場などで導入されており、今後は化学プラントなどの産業分野やCO2インキュベーターなどの研究開発用途への展開も予定されています。
マクセルでは、こうした幅広い製品展開を通じて、鉛フリー酸素センサのさらなる普及と環境対応への貢献を目指しています。
パートナー企業との連携による環境配慮型製品の普及
2025年3月、マクセルでは環境配慮への貢献を目的に、それまで主力製品であった鉛を使用した酸素センサの販売を終了し、鉛フリー酸素センサのみの販売体制へと移行しました。
当社の理念に賛同いただけるパートナー企業が増えることで、鉛フリー酸素センサを搭載した機器の普及が進み、環境配慮への貢献につながることを期待しています。
- 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
関連情報
イチネン製作所様Webサイト


