概要

塩化チオニルリチウム電池は、無機材料でつくられていますので、従来の有機化合物を部分的に用いる電池に比べて長期にわたり使用できる電池です。この電池は、メモリICやエレクトロニクス機器のバックアップ用をはじめ、電力・ガス・水道メータ用電源など、長期間の使用に適しています。

特長

3.6Vの高電圧

塩化チオニルリチウム電池は、3.6Vの高電圧を実現。

フラットな放電特性

放電中の内部抵抗の変化が少なく、放電末期までフラットな放電電圧を示します。

高エネルギー密度

放電電流が100μAで970mWh/cm3(ER6タイプの場合)と、高いエネルギー密度を備えています。

幅広い使用温度範囲

-55℃~+85℃と広い温度範囲でご使用いただけます。(-40℃以下でご使用の場合は、弊社にご相談ください)

優れた長期信頼性

自己放電が極めて少なく、さらにハーメチックシールによる封止方式を採用していますので、長期にわたって安心してご使用になれます。

製品に関するお知らせ

弊社は、塩化チオニルリチウム電池(ER電池)を、機器製造メーカーに機器への組込み用部品としてのみ販売しています。そのため、塩化チオニルリチウム電池(ER電池)が組み込まれた機器をご使用のお客様に対して、機器製造メーカーを通さずに交換用電池を直接販売することはできません。
現在ご使用の機器に組み込まれている塩化チオニルリチウム電池(ER電池)を交換する場合は、それぞれの機器の製造メーカーへお問い合わせください。
なお、塩化チオニルリチウム電池(ER電池)を、組込み用部品として新規にご採用いただく場合は、弊社にお問い合わせください。

塩化チオニルリチウム電池(ER電池)は汎用品ではありません。ご使用条件によっては電池の性能を十分に出せなかったり、場合によっては機器や人体に損傷を与える危険性があるため、弊社では事前に仕様書を取り交わし、ご使用条件および保証の範囲を明確にした上で販売しています。インターネット通販や店頭で購入した製品など、弊社との間で仕様書の取り交わしの無いものに関しましては、その性能及び品質に関し保証いたしかねます。

また、市場ではmaxellの商標を不正使用した偽造電池が販売されていることを確認しています。
このような偽造電池を購入、使用を行わないように十分ご注意ください。

UL部品認定合格品

塩化チオニルリチウム電池はUL(Underwriters Laboratories Inc.)の部品認定を取得しています。 (Technician Replaceable)

認可品種:ER18/50、ER17/50、ER6、ER6C、ER17/33、ER3、ER3S、ER6K
認可番号:MH12568

用途

  • OA機器(FAX、コピー、プリンタ等)
  • 医療機器、レジ等
  • FA機器(測定器、ボードマイコン、センサ)
  • マイコンメータ(ガス、水道、電力)
  • ETC
  • 家庭用火災警報器、煙探知機

仕様

品名公称
電圧
(V)
標準
容量
(mAh)
*1
標準
放電
電流
(μA)
作動
温度
範囲
(℃)
寸法*2質量
(g)
*2
電池特性端子
ワイヤー
コネクター付


直径
(mm)
高さ
(mm)
ER18/50 3.6 3,650 125 -55

+85
18 52.6 22 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
ER17/50 3.6 2,750 125 -55

+85
17 52.6 20 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
ER6 3.6 2,000 100 -55

+85
14.5 53.5 15 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
ER6C 3.6 1,800 100 -55

+85
14.5 51 15 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
ER17/33 3.6 1,600 75 -55

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17 35 13 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
ER3 3.6 1,100 40 -55

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14.5 29.9 8 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
ER3S 3.6 790 35 -55

+85
14.5 26 7 PDFファイルのダウンロード PDFファイルのダウンロード
  • 標準容量は20℃の環境において標準放電電流で放電した時、終止電圧3.0Vまでの持続時間から求めたものです。
  • 寸法、質量は電池自身のもので、仕様により異なります。

構造図

原理と反応

塩化チオニルリチウム電池は、正極活物質として液体の塩化チオニル(SOCl2)、負極活物質としてリチウム(Li)を用いています。電池反応は次のように示されます。

電池反応

正極反応 : 2SOCl2+4Li++4e- → 4LiCl+S+SO2
負極反応 : Li → Li++e-
全反応 : 2SOCl2+4Li → 4LiCl+S+SO2

過渡最低電圧

上図は初度電池の場合の過渡最低電圧を示しています。

塩化チオニルリチウム電池の自己放電は従来の電池に比べて著しく小さくなっています。これは負極リチウムの表面に塩化リチウムの皮膜が形成され、正極との反応を防いでいるためです。貯蔵後初めて放電する場合、この塩化リチウムの皮膜抵抗により、放電開始時に一時的に電圧が低下することがあります。その時の最低の電圧を過渡最低電圧と呼び、温度が低いほど、また、放電電流が大きいほど低い電圧を示します。(過渡最低電圧は電池の保存期間、保存条件によっても大きく影響を受けるため、機器設計時には十分この点に配慮する必要があります。)

負荷特性と作動電圧の関係

電池の作動電圧は、負荷が大きくなるほど、また、温度が低くなるほど低下します。使用初期の場合、-40℃の低温においても1mA以下の放電であれば、3V以上の電位を維持できます。

保存特性

塩化チオニルリチウム電池は、化学的に安定した無機材料でつくられています。また、レーザー溶接封口とハーメチックシールを採用した封止方式により、外気の影響を受けにくく、保存中の自己放電電気量は常温保存で約1%以下/年と小さく、優れた保存特性を示しています。

安全上のご注意

この電池は内容物としてリチウム(危険物)と塩化チオニル(劇物)を含み、それらを密封した高エネルギー密度の電池ですので、使い方を誤ると電池が変形、漏液(電池内部の液体が外部に出てくること)、発熱、破裂、発火する、あるいは刺激性・腐食性ガスが発生する原因となります。これらは、けがや機器故障の原因となりますので、「警告事項、注意事項」を必ずお守りください。

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