酸化銀電池「SR」/アルカリボタン電池「LR」
特長(酸化銀電池「SR」)
安定した作動電圧と大きな電気容量
正極活物質として主に酸化銀、負極活物質として亜鉛を使用し、放電時の作動電圧が安定しています。単位体積あたりで高いエネルギー密度を有しており、アルカリボタン電池と比べて高い容量が得られます。
優れた負荷特性
アルカリ電解液の採用により、優れた重負荷放電特性を有しています。
電解液組成により、アナログ時計など軽負荷で長期間動作する機器に適した低電流・長寿命タイプ*(SW)、アラーム・LEDライトなどの多機能デジタル時計や医療機器など、重負荷で短時間の使用が想定される機器に適した高電流タイプ(W)を設定しています。
* 当社高電流タイプ(W)に対して約2倍の耐漏液寿命
優れた耐漏液性
マクセル独自のノウハウを施すことでアルカリ電解液特有の這い上がり現象を抑制し、優れた耐漏液性を確保しています。
優れた容量維持率
独自の負極材組成により、優れた容量維持率を示します。
主力製品のSR920SW、SR626SW、SR621SWにおいて、容量劣化率は標準容量に対して年間約2%を実現しています。
水銀0(ゼロ)使用
従来、酸化銀電池の性能劣化を防ぐために水銀が添加されていましたが、マクセルでは独自の技術により全品種において水銀・鉛を意図的に添加しない「水銀0(ゼロ)使用」に対応し、優れた耐漏液性能を実現しています。
環境への配慮
環境負荷軽減への取り組みの一つとして、本電池は水銀・鉛を使用せず製造しています。そのため、マクセルの酸化銀電池は全品種においてEU電池指令に適合しています。
ラインアップ詳細 | ||
低電流・長寿命タイプ(SW)と高電流タイプ(W)の違い |
幅広いご使用用途に対応できるよう、マクセルでは複数のタイプの酸化銀電池をご用意しています。
また、近年小型電子機器に求められる長寿命化や多機能化などの市場ニーズに対応するため、低電流・長寿命タイプ(SW)、高電流タイプ(W)それぞれの標準品に加えて「特別仕様」を開発しております。
特別仕様 長寿命酸化銀電池
長寿命用途を想定した特別仕様の酸化銀電池は、低電流・長寿命タイプ(SW)標準品と比べて約2倍の耐漏液特性を有しています。そのため、特に長時間使用する機器に適しています。
特別仕様 高電流タイプ(開発品)
特別仕様の高電流タイプ(開発品)は、高電流タイプ(W)標準品と比べて約3倍の負荷特性を有しています。そのため従来より高い電流を必要とする機器に使用可能です。
用途 |
酸化銀電池「SR」
- Bluetooth® Low Energy(BLE)機器
- CGM(持続血糖モニタリング)
- インスリンペン
- カプセル内視鏡
- 体温計、活動量計
- DDS(ドラッグデリバリーシステム)
- 測定工具(ノギスなど)
- 腕時計
アルカリボタン電池「LR」
- Bluetooth® Low Energy(BLE)機器
- 体温計
- 防犯ブザー
- 玩具
- LEDライト
- Bluetooth Low Energyは、米国Bluetooth SIG, Inc.の登録商標です。
仕様
SR:低電流・長寿命タイプ*1(SW)
- 当社高電流タイプ(W)に対して約2倍の耐漏液寿命
- 標準容量は摂氏+20度(℃)環境において標準放電電流で放電した時、終止電圧1.2Vまでの持続時間から求めたものです。
- データおよび寸法は保証値ではありません。詳細については当社までお問い合わせください。
SR:高電流タイプ(W)
* 標準容量は摂氏+20度(℃)環境において標準放電電流で放電した時、終止電圧1.2Vまでの持続時間から求めたものです。
- データおよび寸法は保証値ではありません。詳細については当社までお問い合わせください。
SR:一般用
* 標準容量は摂氏+20度(℃)環境において標準放電電流で放電した時、終止電圧1.2Vまでの持続時間から求めたものです。
- データおよび寸法は保証値ではありません。詳細については当社までお問い合わせください。
LR:アルカリボタン電池
* 標準容量は摂氏+20度(℃)環境において標準放電電流で放電した時、終止電圧1.2Vまでの持続時間から求めたものです。
- 全品種、「水銀0(ゼロ)使用」です。
- 当社の酸化銀電池は、EU電池指令に適合しており、材料に水銀を意図的に添加せず製造しています。
- このページには、法人のお客様向け製品に関する情報を掲載しております。個人のお客様向け製品に関しては、こちら(当社「個人のお客様向け製品サイト」)をご参照ください。
- データおよび寸法は保証値ではありません。詳細については当社までお問い合わせください。
- このウェブサイトの内容は予告なく変更されることがあります。
構造図(酸化銀電池「SR」)
原理と反応
ボタン形酸化銀電池は、正極活物質として主に酸化銀、負極活物質として亜鉛を用い、低電流・長寿命タイプ(SW)の電解液には水酸化ナトリウム水溶液を、高電流タイプ(W)の電解液には水酸化カリウム水溶液を使用しています。そのため、放電末期まで作動電圧が安定しています。
電池反応(SR:酸化銀電池)
正極反応 : | Ag2O+H2O+2e- → 2Ag+2OH- |
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負極反応 : | Zn+2OH- → ZnO+H2O+2e- |
全反応 : | Ag2O+Zn → 2Ag+ZnO |
電池反応(LR:アルカリボタン電池)
全反応 : | 2MnO2+Zn+H2O → 2MnOOH+ZnO |
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安全上のご注意
電池の使い方を誤ると、電池を変形、漏液(電池内部の液体が外部に出てくること)、発熱、破裂させる原因となります。これらは、けがや機器故障の原因となります。特に、漏れた液体が接触しますと失明などの傷害を引き起こすこともありますので、警告事項、注意事項を必ずお守りください。
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