鉛フリー酸素センサ(O2センサ)

鉛フリー酸素センサ O2センサ

ガルバニ電池式酸素センサは「小形」「軽量」であるとともに「常温」で作動し、安価で手軽に酸素濃度を測定できることから、酸欠防止用の酸素濃度計測をはじめとしたさまざまな用途向けに、世界中で使用されています。 一般的に、センサの負極には鉛が使われており、当社では鉛負極を採用したガルバニ電池式酸素センサを開発し、35年以上販売してきました。

 

一方、近年では欧州RoHS指令をはじめとして、酸素センサを搭載する機器に対して環境規制が強化されてきています。このような背景から、マクセルでは2019年11月に環境に配慮したガルバニ電池式鉛フリー酸素センサ「KE-LFシリーズ」を開発し、ラインアップを拡充してきました。

「KE-LFシリーズ」は、鉛に代わる負極とその負極に適した独自開発の弱酸性電解液を使用しているため、長寿命で二酸化炭素の影響をうけない特長をもち、現在、複数の用途で環境配慮型製品として採用いただいています。

 

マクセルでは「KEシリーズ」(有鉛品)の販売を終了し、後継品である鉛フリー品「KE-LFシリーズ」への切り替えをより一層促進していくことで、社会の環境課題の解決に貢献していきます。

トピックス

ガルバニ電池式鉛フリー酸素センサの特長

鉛フリー酸素センサ 鉛フリー化鉛フリー化の特長 弱酸性電解液アイコン 弱酸性電解液の特長ガルバニ電池式アイコン ガルバニ電池式の特長
鉛フリー酸素センサ 鉛フリー化 欧州RoHS指令に適合した環境配慮型製品

負極に鉛を使用せず、欧州RoHS指令(RoHS2)に適合した環境配慮型製品です。欧州RoHS指令で適用除外に指定されている材料も使用していません。

鉛フリー酸素センサ 弱酸性電解液アイコン CO2の影響をうけない

当社の酸素センサは弱酸性電解液を採用しているため、酸性ガスが共存する環境下でも影響をうけにくい特長をもっています。

鉛フリー酸素センサ 弱酸性電解液アイコン 寿命が長い(3年~10年)

酸素センサは酸素の還元と負極である金属の酸化反応(溶解反応)で生じる電流を電圧変換して、酸素濃度(厳密には酸素分圧)を検知しています。
通常、負極が酸化すると負極の表面に酸化被膜が形成されるため、それ以上の酸化反応が継続できなくなり早期に寿命が尽きてしまいます。当社が独自開発した弱酸性電解液は負極生成物を長時間溶解させることができるので、センサの寿命も長くなります。

鉛フリー酸素センサ ガルバニ電池式アイコン 出力電圧が安定

酸素を電気化学的に還元し、電圧変換するという単純な測定原理であるためセンサの出力は安定しています。

鉛フリー酸素センサ ガルバニ電池式アイコン センサ駆動用の外部電源不要

駆動のための外部電源が不要なので、機器サイズの小型化やコストを抑えられます。

鉛フリー酸素センサ ガルバニ電池式アイコン 作動温度が常温

センサは常温で駆動するため、加熱するための回路や電源は必要ありません。機器設計を簡易化させることができます。

鉛フリー酸素センサ ガルバニ電池式アイコン 暖機時間不要

センサに電圧を印加する回路が不要であるため、駆動前の暖機時間は必要ありません。

用途

排ガス測定、バイオテクノロジー機器、食品保管、教育、医療機器などにお使いいただけます。

環境機器

環境機器

排ガス測定

安全衛生

安全衛生

空調・酸欠防止システム/
酸素濃度計(酸素モニター)

バイオテクノロジー

バイオテクノロジー

酸素インキュベーター/嫌気性菌培養装置

医療関係

医療

人工呼吸器/麻酔器/酸素濃縮器/
保育器/獣医療

食品産業

食品産業

植物工場/食品保管

健康機器

健康機器

酸素カプセル

センサの基本構造

測定原理

センサの基本構造図
センサの基本構造図

ガルバニ電池式酸素センサは正極、負極、電解液、隔膜からなり、空気電池に似た構成をとっています。
センサの隔膜は正極と接合されており、正極に到達する酸素量を大きく制限する役割を持っています。

酸素センサでは、隔膜中をわずかに透過してくる酸素は正極上ですべて還元され、その際、負極との間に生じる電流はセンサに内蔵している抵抗で電圧変換されます。

雰囲気気体の酸素濃度(厳密には酸素分圧)と変換した電圧には比例関係があるため、センサの電圧を測定することにより、酸素濃度を知ることができます。

関連キーワード

酸素センサー / O2センサー / RoHS適合 / RoHS対応 / RoHS / 環境配慮型

マクセル 法人向け製品 BtoB カタログ 資料 ダウンロード Maxell

ガルバニ電池式鉛フリー酸素センサ Lead-Free

型式KE-25LF/KE-25F3LFKE-12F3LFKE-50LFKE-25F3LFM
特長 スタンダード品 速い応答速度 長寿命 高濃度酸素測定可能
測定範囲 0 ~ 30% O2 0 ~ 100% O2
初期大気中出力 10 ~ 15.5 mV 9 ~ 15 mV 4.5 ~ 7.5 mV 5 ~ 8 mV
精度
(%Full Scale)
± 1% ± 1% ± 2% ± 1%
圧力範囲 811 ~ 1216 hPa
使用温度範囲 5 ~ 40℃
90% 応答速度 約15秒 約8秒 約60秒 約15秒
期待寿命*1 約90×104 %h 約55×104 %h 約180×104 %h 約108×104 %h
20℃大気で約5年 20℃大気で約3年 20℃大気で約10年 20℃大気で約6年
対応可能形状 標準、F3 F3 標準 F3
  • 期待寿命:温度 20°C、湿度 60%RH、気圧 1013 hPaの条件で使用した場合に期待される理論寿命であり、(酸素濃度 %)×(時間 h) の値で表現されます。
  • 仕様、外観などは変更される場合があります。あからじめご了承ください。
  • “鉛フリー“、“Lead-Free“とは、製品を構成する各部品(均一物質中)に含まれる鉛が0.1wt%以下であることを意味します。

外観図

製品外観図

注)リード線仕様はすべてAWG-24(赤:+Ve、黒:-Ve)です。

機種選定サポート

当社では、環境配慮の観点から鉛フリータイプをおすすめしています。

ガルバニ電池式鉛フリー酸素センサチャート表
マクセル 法人向け製品 BtoB カタログ 資料 ダウンロード Maxell

Q1.医療用途に適した鉛フリー酸素センサはありますか?

【A1】 人工呼吸器、麻酔器、保育器などの医療用途では高濃度酸素を測定します。
「KE-25F3LFM」は、0~100%の酸素濃度範囲での測定が可能であるため、医療用途に適したガルバニ電池式鉛フリー酸素センサです。

【「KE-25F3LFM」の特長】
・酸素濃度測定範囲が0~100%
・期待寿命*は、「KE-25F3LF」と比較して20%アップ (6年)

*期待寿命:温度 20°C、湿度 60%RH、気圧 1013 hPa の条件で使用した場合に期待される理論寿命であり、(酸素濃度 %)×(時間 h) の値で表現されます。

Q2.ガルバニ電池式のメリットは何ですか?

【A2】ガルバニ電池式は駆動のための外部電源が不要で、測定前の暖気時間が必要ないので、使いたいときにすぐにご使用いただけます。また、電圧印加回路が不要であることから機器コストを抑えられ、電源も小型化できるメリットがあります。

Q3.寿命について教えてください。

【A3】センサの寿命は流れた電流の大きさで決定され、寿命は、酸素ガス濃度、圧力、温度などの影響をうけます。例えば、期待寿命108万%hの「KE-25F3LFM」の場合、大気圧1013hPa、大気中(酸素濃度21%)、温度20℃では約6年の期待寿命を持ちます。しかし、大気圧1013hPa、酸素濃度42%、40℃でご使用の場合は酸素ガス濃度が倍で、更に温度の影響で倍の電流が流れますので4倍の電流が流れ、結果的に寿命は1/4になります。酸素ガス濃度、温度と寿命については一定の関係があります。
※使用用途や使用方法によって、適したセンサや使用方法をご提案させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。

Q4.酸素センサに供給する流量および圧力の許容範囲を教えてください。

【A4】流量:0.1~1L/min  圧力:811hPa~1216hPa
ただし、計測毎に流量や酸素分圧が変化すると、同じ酸素ガス濃度でも出力が変化します。校正時の流量と計測時の流量、圧力をあわせると、より高精度に測定いただけます。

Q5.酸素センサはどのように廃棄すれば良いですか?

【A5】酸素センサを廃棄する場合には国や地方自治体の規則に従って産業廃棄物として廃棄して下さい。

Q6.何個から購入可能ですか?

【A6】1個からでもご購入いただけます。

Q7.「KE-LFシリーズ」はいくつかのタイプありますが、何が違うのですか。

【A7】期待寿命と応答速度が異なり、下の表の関係となります。

型式KE-12F3LFKE-25LF/KE-25F3LFKE-25F3LFMKE-50LF
90%応答速度 約8秒 約15秒 約15秒 約60秒
期待寿命 20℃大気で約3年 20℃大気で約5年 20℃大気で約6年 20℃大気で約10年


詳細は「ガルバニ電池式鉛フリー酸素センサ」仕様表をご覧ください。

ページ上部へ戻る