概要

 正極、負極材料だけでなく、電解液/セパレーターの固体化により、全固体電池には
 ・広作動温度範囲
 ・長寿命
 ・高容量、高出力
 ・高い安全性
といった特長があります。

 マクセルではこれらの特長を生かした長寿命のコイン形全固体電池を開発し、2019年9月からサンプル提供を開始。現在、生産準備中です。

全固体電池のポテンシャル

マクセルのコイン形全固体電池は独自の硫化物系固体電解質と電極材料を採用しています。その結果、充放電に伴う抵抗上昇を抑制し、電解液を使用した従来の電池に比べて高負荷時の放電容量を飛躍的に向上することに成功しました。

硫化物系固体電解質の特長マクセル全固体電池の特長
熱的安定性 120℃~+200℃の温度範囲において安定であることを確認 高耐熱性 -50℃~+125℃の温度範囲において良好に作動できる
化学安定性 正負極材料と硫化物系固体電解質との界面層が安定かつ高イオン電導性 長寿命化 20年以上に渡る長期使用においても初期の特性を維持できる
酸化安定性
還元安定性
0~5Vの電圧範囲で高い安定性を確認 高容量化 電解液中では不安定な高性能材料でも良好に作動できる
成形性 非常に柔らかいため常温での成形・圧密化が可能 高容量化 電極の厚膜化が容易なため高容量化とプロセス簡素化ができる
イオン伝導性 電解液同等の高イオン伝導率を確保(電解液とは異なりLiイオンのみが伝導) 高出力化 電解液特有の抵抗成分が無いため電解液の数倍の高出力特性が得られる
難燃性 燃焼性は低く危険物には非該当(一般的な有機電解液は危険物) 高安全性 様々な安全性試験を実施しても発火発煙は観測されず発熱も5℃以下

寿命特性(高温貯蔵試験、サイクル試験)

高温での貯蔵や充放電サイクルにおいて大きな劣化は確認できないことから、電解液を使用した従来のリチウムイオン電池に比べ、より長時間にわたって過酷環境で使用できます。

60℃満充電貯蔵試験 容量回復率
100℃サイクル試験 容量回復率

信頼性(過放電試験)

過放電による電池特性の劣化は確認されないことから、0Vなどの過放電状態においても長期保管が可能です。(PMIC機能をシンプルにできます。)

過放電貯蔵試験

安全性

過酷な環境においても高い安全性を確認しています。

仕様

マクセル全固体電池は100℃以上の耐熱性と20年以上の長寿命特性を実現し、さらに2C放電可能な高出力化にも成功しました。現在サンプル提供を開始しています。

形式PSB927L
公称電圧(V) 2.3
標準容量(mAh) 8.0
寿命(年) >20年
寸法直径(mm) 9.5
高さ(mm) 2.65
充電(CCCV)定電圧値(V) 2.6
標準電流(mA) 4.0
温度(℃) -20~105℃
放電(CC)終止電圧(V) 0.0
最大電流(mA)*1 30.0
温度 -50~125℃

*1 1秒間放電後に1.8V以上を維持できる最大電流値

放電特性

Q1. マクセル全固体電池の差別化ポイントは何ですか?

A1. マクセルのアナログコア技術である「混合分散」「精密塗布」技術を活用して、開発・設計・製造を行っている点です。

 

 

Q2. 一番の特長は何ですか?

A2. 電解質にアルジロダイト型の硫化物系固体電解質を使用しているため、長寿命・高耐熱性のほか高容量化・高出力化も両立していることが特長です。

 

 

Q3. マクセルのどんな技術が活かされていますか?

A3. コイン形全固体電池は、マクセルが培ってきた独自の材料技術と配合・成形・封止といったプロセス技術の融合により実現しました。材料技術は主にリチウムイオン電池事業、プロセス技術は、主にマイクロ電池事業で培ったものです。また、リチウム系電池で培ったモノ作り力も活用されています。

 

 

Q4. マクセル全固体電池の利点は何ですか?

A4. 採用している三井金属製の固体電解質は非常に柔らかく、常温での圧密化による電極製造が可能であることから、乾式混合、分散、成形などマクセルのアナログコア技術が発揮されやすい電池となっています。また、酸化物系固体電解質では必須となる焼結工程が不要であることから、材料の選択肢が増えることで電池特性の飛躍的な向上が可能となります。

 

 

Q5. 想定する主な用途は何ですか?

A5. 通信対応など高出力とともに高い安全性・信頼性も求められるウェアラブル機器、過酷な環境や長期間に渡って使用されるIoT機器、車載機器、FA機器などを想定しています。

 

 

Q6. 量産開始はいつを予定していますか?

A6. 2021年中を予定しています。

 

 

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