透明涼暖フィルム LE-Comfort

高透明 遮熱断熱フィルム

「LE-Comfort」は、窓ガラスに内側から貼るだけで、夏場の暑さ対策(遮熱)だけでなく、冬場の暖房効率の向上(断熱)も含め、年間を通じて省エネ効果を発揮することができる高透明な遮熱断熱フィルムです。

年中快適に、省エネに

遮熱 効果 快適 ECO ライフ Low-E 低放射 断熱

2007年にマクセルは粘着テープメーカーであった(株)スリオンテックと経営統合し、スリオンテック事業本部ができました。その後、スリオンテックとマクセルの開発部門が連携した新事業製品開発部を発足させ、お互いの技術・知見について理解を深めてきました。これまでマクセルで培ってきた薄膜塗布のみならず、スリオンテックの厚膜の粘着加工という技術も加わり、ウィンドウフィルム製造に必要な技術を業界トップクラスで所有するメーカーとなりました。それにより他社には真似できない新しくユニークな製品を作れるのではないかと考え、未知の分野であるウィンドウフィルムの市場への挑戦が始まりました。
新事業製品開発部の発足当初、ウィンドウフィルムは飛散防止、遮熱フィルムが市場の中心でしたが、マクセルは「断熱」という新たな市場に着目しました。外からの日射熱が入らず涼しく過ごせる「遮熱」効果と、内側からの熱を外へ逃さず暖かくなるという「断熱」効果が

両立すれば、季節を問わずより快適で、かつ冷暖房費の削減につながり、環境に配慮した製品ができると考え、開発に着手しました。

窓用フィルムとしての信頼性を高める

LE-Comfortを支えるコア技術 バランス設計

「LE-Comfort」の遮熱断熱性能は他社にはない業界トップクラスのものにできましたが、ウィンドウフィルムという業界にマクセルが初めて参入するという中で、「窓用フィルムとしての信頼性」を高めることが一番の課題でした。
ウィンドウフィルムは窓に施工後、人の手に触れられる、太陽の光が当たる、結露するなど、さまざまな環境下にさらされ、性能が良くても、半年で著しく劣化してしまうものは商品にはなりません。劣化せずに性能を保ち続ける信頼性を高めることが最も重要であり、開発に一番期間を要しました。
スリオンテック事業本部では、これまで事業所間の異なる技術を組み合わせた製品はありませんでしたが、「LE-Comfort」の開発を通じて事業所を超えた知見共有や協力体制を築くことができました。また、原材料メーカー、委託加工メーカー、テスト施工を繰り返し実施いただいた販売店をはじめとしたお取引先の技術との協力も開発を進めるうえで欠かせませんでした。
劣化したフィルムを分析し、メカニズムを仮定・立証する実験を繰り返すことを約2年間続けた結果、一番の問題であった、赤外線反射層(金属層)の腐食という課題に対して解を見出すことができました。

マクセルの薄膜塗工技術、界面制御技術を応用し、赤外線反射層の上に膜厚数十nmの多層(4層)の特殊薄膜保護膜を積層し、この4層に光学コントロールのみならず、フィルム劣化の因子となるものから保護する施策を盛り込むことで、遮熱断熱性能を損なうことなく信頼性を担保しました。

技術と事業に横串を通し新たな価値を生み出す

省エネ効果の比較 電気料金シミュレーション 冷暖房費 節約

「LE-Comfort」の一番の特長は冬場の室内の熱を室内に反射させる「断熱性能」です。通常、断熱性能を出そうとすると、透明性・信頼性・加工性など、その他の特性を犠牲にすることになりますが、「LE-Comfort」はそれらの特性を損なうことなく製品化することができ、世界トップクラスの性能を実現しました。一方で、ウィンドウフィルム業界に参入したばかりのマクセルは業界での認知度がまだ低く、トップクラスの断熱性能を広くアピールし「マクセルはウィンドウフィルムでもユニークな製品を作っている」ことを情報発信し、販路を確立することが今後の課題です。
「LE-Comfort」は窓用に設計していますが、車をはじめとした乗り物にも機能を付与できる可能性もあります。車が電気自動車(EV)化することで、より低燃費が求められ、窓からの熱の出入りが重要視されるため、車に遮熱断熱のフィルムを貼るだけで機能を付与できれば販路が広がります。また「LE-Comfort」にプロジェクター投影用スクリーン機能を付与した透明涼暖スクリーンフィルム「Leconage」を光エレクトロニクス事業本部と開発を進め、8月よりテスト販売を開始しました。
「Leconage」を貼った窓にプロジェクターから映像を投写した空間を演出することができるため、日中は遮熱断熱機能による快適空間をサポートし、夜間はデジタルサイネージとして店舗などでの活用が期待できます。

新たなチャレンジにより生まれたシナジー

ウィンドウフィルムという業界にマクセルが初めて参入するという中で、売り方、評価の仕方、梱包の仕方まで、手探りで進めてきましたが、新しい市場に挑戦することでスリオンテック事業本部内のシナジーが実現し画期的な製品になったのではと思います。さらに、光エレクトロニクス事業本部と「Leconage」を開発し、事業部を超えたシナジー効果も生まれつつあります。今後も技術や事業に横串を通すことで、さまざまなユースケースに対応した製品・サービスの開発をめざしていきます。

また、「LE-Comfort」を5年、10年と安心して使用いただける性能とともに高い信頼性もあるフィルムにするために、今後も努力を積み重ねていきます。

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