薄膜化技術


高出力を得るためには、磁性粉そのものの出力もさることながら、磁性層厚みを通常の2~5μmから0.1~0.5μmと薄く設定し、磁気記録独自の厚みによる損失(自己減磁損失)を低減させる必要があります。マクセルでは、厚さ0.1μmとサブミクロンオーダーの磁性塗膜を形成する薄膜化技術を確立(図1)することにより、4.4μm2/bitと高い記録密度が要求されるDVC PROフォーマットや今後、更なる高密度化への要求に対しても、十分な出力とC/Nを確保します。

高精度スリッター技術


テープ原反から、それぞれのフォーマットに合ったテープ幅にテープを切断するスリッター工程。この工程では、記録トラックの直進性に影響するテープの幅変動やうねりを小さく、またエラーレートや整巻性に影響するテープの切断面を良好に仕上げることが要求されます。これを実現するには、フォーマットごとに異なるテープ幅・テープ厚み・テープ剛性に対し、スリッター機の刃物のスリット速度、スリットテンション、刃物形状や精度等、様々な要因があり、これらをそれぞれのフォーマットに合った最適な条件に設定することが必要となります。マクセルでは、これら複雑に要因が絡みあうスリット条件の設定に当たり、コンピュータによる解析(図2)を行いそれぞれのフォーマットに合った最適なスリット条件を設定。良好なテープ切断面(図3)を得ることで、低いエラーレートや整巻性を実現しています。

テープひずみ除去技術


長時間にわたって、特に高温下で保管された場合、テープにはその性質上、僅かな収縮が生じます。特に最近の狭トラック幅で記録されるフォーマットでは、この僅かなテープ変形でもトラックずれが生じ(図4)、その後の信号再生や編集作業に悪影響を及ぼします。マクセルでは、収縮の要因となるテープ歪み成分を製造上で除去するプロセス技術を確立し、優れたテープ収縮特性を実現(図5)。狭トラック化が進むフォーマット用テープの長期保存時における信頼性を大幅に向上させています。

フィラー均一分散技術


VTRヘッドは、HDCAMやデジタルベータカムの場合、毎秒23mのスピードで、1分間に5400回転もテープ上をトレース。この間、空気中のホコリや、テープ及びヘッドの摩擦粉などの微小なチリや汚れがヘッド表面上に付着することがあります。これらの異物は、テープ・ヘッド間のスペースを広げ、再生出力の劣化をまねき、ひいてはヘッドの目詰まりの原因にもなりかねません。マクセルでは磁性層に特殊なセラミックを均一に分散(図6)させることでヘッド表面をやさしくセルフクリーニング(図7)。テープ自身が原因となる汚れは、記録・再生しながら拭い去ることで、繰り返しの使用でも最適なコンタクトを持続、常にヘッドの表面を長くベストな状態に保ちます。

テープ剛性適正化


テープに記録された高出力を実際のVTRで最大限に引き出すためには、テープとヘッドのコンタクトを最適化して、磁気記録独自の損失を減らすことが重要です。マクセルでは、各フォーマットに応じ、ヘッドコンタクトに関するハード・テープの様々な要因をコンピュータ解析(図8・図9)し、最適なテープ剛性や摩擦係数などを設定。高い出力を安定したヘッドコンタクトで再現し、低エラーレート特性を実現しています。これにより様々な環境下で優れたパフォーマンスを発揮します。

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